ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 市長の部屋 > 【市長コラム】論語と算盤(令和元年6月号)

【市長コラム】論語と算盤(令和元年6月号)

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2019年6月1日更新 <外部リンク>

 令和の時代が始まって五月晴れ続きでした。見事な麦秋の大地に、万葉集の時代も風に揺れる黄金色の麦が陽光に輝いたのだろうと感じられました。
 令和には「麗しき大和」との意義も詰まっているようです。「令」には善いという意味合いもあり、我が身も心にも、暮らしの随所にも麗しさは貴重で大切です。そして「和」は平和のみならず、大和すなわち日本を意味し、あわせて麗しい大和、つまり麗しき日本となります。
 その実現には、万葉の人々が身分を超えて「言の葉」に思いを託して描き、祈りも込めたように、我々も先人に感謝と思いを馳せ、未来に希望を輝かせて日々進みたいものです。
 そんな始まりの令和の出来事に、紙幣が改まることがあります。新たな一万円札には渋沢栄一翁の肖像が描かれます。渋沢翁は農民から武士身分となりますが、新時代の開拓を思い、官から民に転じ、創造的事業を多数興されました。現在の日本の主要な企業や経済団体を幾つも立ち上げ、まさに明治時代以降の日本の資本主義経済の構築に偉大な貢献をされたのです。
 渋沢翁には『論語と算盤』という名著があります。今日も経済人のみならず、同書をひもとく人が多数おられます(一読をお薦めしたいです)。拝金主義に走りがちな人々の風潮を改め、道徳心・徳性を備えた経済の真の発展をめざした翁の努力、その理念を裏打ちするような、わかりやすい書物です。
 人としての生き方を過あやまたず、物心一如の繁栄を真に願った希望と励ましがそこにあります。
 私達は見近な宝、孔子廟と儒学の学びに恵まれていることをお互いに認識したいものです。
 雨季になります。気象情報などに注意してお過ごしください。