五月一日、新元号「令和」の時代がいよいよ始まりました。
三十年四か月に亘る「平成」の時代は、昭和天皇の崩御と新天皇の即位で始まり、普賢岳噴火、阪神淡路大震災、東日本大震災などの災害を乗り越えてきました。天皇皇后両陛下は被災地を幾重にも見舞われ、避難所の体育館では避難者と同じく床に膝をついて励まされました。
まさに人々に寄り添う全国行脚でした。身体的ご負担もきっとあったはずです。しかし、そのことはひとことも言及されず、ひたすら継続されました。
憲法には「天皇は象徴」とありますが、役割細目は必ずしも詳しく定められてはいません。お二人が「あるべき姿」を常に探究熟慮され、ともに実践されてこられたことと思います。
今では、政教分離原則のために、天皇家の私的行事とされるものが幾つもあると聞きます。
例えば、天皇陛下は元旦早朝に宮中・神嘉殿の南庭で四方拝の祭祀を行われます。国家の繁栄と国民の安寧を祈る儀式です。氷点下の真冬の黎明前に、素足で式典に臨まれ、長時間の正座はもとより、古より続く作法で行われると聞きます。体調辛苦により控えようなどの気持ちが寸分も入る余地なく、歴史を担う使命と責任感によると拝察します。気高い精神性と無私の貢献に感激するばかりです。その高貴さが人々に感動をもたらす源であろうとも感じます。
新たに始まった令和の世に、多久市も未来志向でさらに新創造に努め、日々地道な努力を重ねていきます。市民の皆様と連携し、よりよい多久市の未来をつくっていきたいと思っています。
令和元年の始まりです。すばらしい年となるよう一緒に努めて参りましょう。