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【市長コラム】そうじで人生を開いた先人(令和7年5月号)

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2025年5月1日更新 <外部リンク>

四月の多久聖廟の春季釈菜も快晴と桜と新緑に恵まれ、無事に挙行できました。市長就任以来、春と秋の釈菜前の日曜朝には聖廟清掃を行ってきました。

また毎月第三日曜の朝には市内のゴミ拾い清掃活動を、多久市そうじの会有志メンバーと一緒に続けてきています。

そんな活動の発端は鍵山秀三郎さんとの御縁からです。そもそもは松下政経塾の後輩指導の際に「掃除にこだわる経営者」としてお目にかかりました。謙虚誠実な人柄が印象的でした。

掃除道といえる徹底ぶりで、優れた経営を実践され、日本を美しくする会を創始された人物です。若い頃に艱難辛苦を経験され、ご自分なりの仕事に携わられたものの、心が荒む業界慣習や就職先の実情に危機感を覚え、理想の会社をつくりたいと願われご自分で起業されました。

一緒に働く人の心が柔和で前向きになり、お客様に感謝してもらえる経営を願われ、そのために努められたのが掃除です。

とはいえ社員に強制はあえて行わず、黙々と実践を続けられたのでした。這いつくばって玄関床を拭いているとそこを飛び越えるように社員が通ったそうです。でも叱りも怒りもせず、黙々と努められました。
10年で理解者協力者が現れ、20年で全社員の掃除となったのです。

誰でもできる平凡な事を非凡に積み上げる。掃除はその実践道場でした。次第に温かく優しい社風となって社業も発展。社名をイエローハットと改め、更に努められました。「何事も成功のコツはコツコツですよ」と説かれました。そんな鍵山さんが逝去され、お別れの会に出席し、ご子息ともお会いできました。

人材育成や凡事徹底の大切さに改めて深く感銘しています。