孔子直系の第79代嫡孫である孔垂長(こうすいちょう)氏が多久に来訪されました。2011年に77代子孫の孔徳懋(こうとくぼう)女史(2021年に104歳でご逝去)の御縁で出逢ってから幾度かお会いしてきました。庁舎前で「熱烈歓迎」の横断幕を掲げ、職員とともにお迎えし、歓談では論語カルタなど多久の実践もお伝えしました。
翌日4月18日は春季釈菜で、今年は孔子生誕2575年にあたります。好天に恵まれた祭典に光華を添えていただきました。釈菜の儀典内容を熱心にご覧になり、釈菜の舞、参列生徒の唱歌、腰鼓も鑑賞されました。
聖廟前でのご挨拶や報道取材では「多久の地で三百年を超えて先祖孔子を讃える釈菜が継続されていることに感動しました」のお言葉から始まり、テクノロジーがいかに進んでも人間としての自己練磨や徳性の涵養(かんよう)が大切なこと、各々に文化や歴史を相互に重んじ新たな歴史の繁栄を期すべきこと、次代を担う世代へこれら大切な教えを繋ぐことが極めて重要であるなどのお話をいただきました。孔子の教えが現代を生きる私達にも大事な教訓であり、人生を拓く力になることを改めて感じました。
これまで多久聖廟には第77代嫡孫孔徳成(こうとくせい)氏やその姉君の孔徳懋女史も来訪されており、久々の嫡孫参詣に廟内の孔子像もさぞ歓喜だったでしょう。
孔垂長先生は儒学を未来に繋ぐ使命観に燃えておられます。視察では多久茂文公の聖廟創建の立志を記した『文廟記』に格別な関心を示されました。中国や台湾の古書漢籍も収蔵する廟山文庫にも感銘されました。
これからも孔子直系御子孫との御縁を大切に紡ぎつつ、世界の平和と繁栄、人類の幸福に資することができるよう、知恵を絞って努めたいと思います。