ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 市長の部屋 > 3月 陶芸家マイケルさんの志

3月 陶芸家マイケルさんの志

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2017年3月1日更新 <外部リンク>

 受験時代によく読んだ英単語本『試験によく出る英単語』は当時ベストセラーだった。そのなかに単語「design」の解説があった。「サイン」は「しるし」で、それを「頭から出して、外に出して見えるようにすること」と記憶する。まさに思いや願いを見える形にすることがデザイン。「そうか出サインだ」と思ったものだ。大切なのは内なるものだと教えられた。
 さて、今月号市報で紹介されているのは、米国から多久にやってきて五反林窯を主宰する唐津焼陶芸家マイケルさん。
 出逢いは「花みずき茶会」の野点茶席だった。主宰者の今は亡き小倉宗厚先生が紹介して下さった。マイケルさんは主人席で略盆手前のお点前をされていた。淡々と帛紗さばきをされる姿に私は見入った。お点前が終わり「ハロー」と話を始めると「ボクモ、タクデスヨ」と笑顔が返ってきた。まさに御縁。
 マイケルさんには夢がある。「海外の陶芸愛好家に、多久に来てもらい、日本の器つくりを紹介したい」。海外では奇抜なオブジェのような作風が評価されたりするが、それは日常使いを重んじる日本のものではないとマイケルさんは語る。普通の暮らしに根差し、暮らしのシーンで普段使いされる器でありながら、機能的でなんとも美しい、それこそが日本の陶芸の美という持論があるのだ。だから、日本の暮らしや田舎の風景を見せ、茶道や華道も教え、それらと器が結びつく日本文化を伝え、本当の理解を広めるワークショップを開きたいと熱く語られた。
 すばらしい卓見と感じた。深く細やかに慮る洞察と、正しく広い啓発があってこそ真に日本文化が伝わる。そんな企画を工夫すれば、多久ならではの旅企画も可能だ。シェアリングエコノミーで体験型旅をサポートするT A B I C A と協定締結した。これから「多久で日本発見」旅プランが始まるかも。
 受験生も大いに頑張ってほしい、「桜咲く」目指して。