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11月 挑戦こそが伝統を生む~有田焼400年に思う

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2016年11月1日更新 <外部リンク>

 今年は有田焼創業400年。各種祝賀行事が展開中です。
 400年を迎えた有田焼の始まりには多久も関わりがありました。朝鮮から渡来し、後に陶祖と讃えられる李参平は鍋島藩・鍋島直茂の重臣・龍造寺家久(のちの多久安順)のもとで十数年の歳月を多久で過ごし、作陶を試みます。その後、有田泉山で良質の白磁石が見い出され、移住。ここを拠点に活動を続け日本初の白磁器を産業として始めます。1616年(元和2年)のことです。有田焼誕生とされる歴史的出来事です。
 400年記念式典で人間国宝・井上萬二先生のご講話を拝聴しました。辛苦克服と創意飛躍の半生を述べられ、毎年20の新創作を20年間続ける努力をあえて自身に強いられたことは圧巻でした。あくなき探求心に感銘いたしました。
 「伝統は挑戦の連続から生まれる」、「見えるものすべてから学ぶ」姿勢と、「寸暇を惜しんで学び、自分を高めなければ良いものは生み出せない」の警鐘も話されました。怠惰に走りがちな傾向に対しては、「酒を飲み明かして愚痴を言い合っても何も生まれない。本当にやりたいなら独りで努力すべき」の指摘は、各界トップランナーも語る成功の要諦に通じるものです。誰もが知っていますが、実際に実行に移す人は少ないのです。
 不透明で不確実な変化の時代で、肝心なのは、本気で変化に向かうこと。きっと李参平がそうであったように、歴代名匠がそうであったように。今の自分に不満なら、一念発起し、地道に努力するしかないのです。簡単明瞭です。
 九州陶磁器文化館前庭で開催中のU S E U M は、日常使用のuseと博物館のmuseumの統合概念の具現化。人間国宝による器で佐賀の旬な食材料理を堪能できる新企画の挑戦そのもの。
 挑戦こそ未来を拓く。未来を新たにし、望む未来を確保するため、苦しく勇気もいるけれどお互い挑戦を始めましょう。