高齢化率30%、自治会加入率100%の大山自治会(東京都立川市)は世帯数1600、人口4000人。自治力が素晴らしく入居希望は実に14倍。出会いで知った取り組みを紹介します。
はじまりは問題があったから。平成11年に自治会内で年4、5件の孤独死があったのです。現場に立ち会った佐藤良子区長は危機感を抱き、孤独死ゼロの挑戦がスタート。「自治会の一番のメリットは人のつながり」の理念で、全員が自宅と両隣の三軒見守りで改善に尽力。集合ポストや玄関ポスト、洗濯物やゴミ捨ての様子で異常を感じたら24時間対応の自治会携帯電話に通報。さらに電気・ガス・水道・新聞配達の事業体と協定を締結し、平成16年に孤独死ゼロを達成します。
その街を思う自治意識は実践を広げます。誰もが役員をやれる組織。ハンデがあっても助け合い一緒に役員をやれる仕組み。人生の結び方を記す「終焉ノート」の作成配布(自治会葬儀はこれに基づき行うとのこと)。現役時代の技能は人材バンク登録しボランティアで貢献。防災ウオークラリーで防災力向上。健康フェアで健康増進。東日本大震災被災者を多数受入れ。大学や病院との連携。なんとも素晴らしい気づきと実行力です。
それを支えるのが「創年」の発想です。「創」は「生み出す」「新しく作り出す」の意味。歳を重ねるごとに新しい自分の生き方を生み出し、最期までいい人生を送ろうと名づけて活動が続きます。
肝心なのは知恵と心意気と教えられます。