平成二十六年の新春です。
新年あけましておめでとうございます。
ここに迎えることのできた新たな年が、市民の皆さんと多久市にとりまして素晴らしき年となりますようにとの祈念を込め、初春のお慶びを申し上げます。
まずはご家族全ての皆さんが健やかで幸多き日々でありますよう、心よりお祈りします。
今年は市制施行六十周年です。昭和二十九年五月一日の市制開始以来、本市はさまざまな困難を乗り越えてきました。時代に必要な行政や社会づくりに尽くされた多くの先人に敬意を表します。
六十年といえば還暦ですが、論語では「耳順」の年。耳順とは、人物修養が進めば、人の言うことを素直にうけとめ、さらに天命を受け入れ、素直に従い生きることができると解されます。無我の気持ちで一切に耳を傾ける余裕、素直さを持つことが肝心ということです。よくよく傾聴して、心眼で見究めたいものです。さらにひたむきに重責遂行の役割を果たします。
平成二十五年は小中一貫教育スタートの「教育元年」でした。九年間の連続した学びで、子どもたちは未来への飛翔力を育みます。その努力が実るよう、教え、導き、励まし、育み、見守ることが肝心です。先月は中央校駅伝チームが全国中学校駅伝大会で活躍してくれました。
教育充実では二十一世紀型の教育を充実する新視点で、先進国での新たな教育取組みも参考に「文教都市・多久」を高めます。
また、跡施設利活用も衆知を集めて創意工夫で進めます。
健康長寿も変わらぬ重点テーマです。毎年新年に薦める健診をお願いします。「自分の健康は自分で守る」が基本です。自己の健診受診、ぜひお忘れなく。
福祉では民間研究所による高齢社会対応力調査で多久市は県内トップ、全国十三位の評価に輝きました。地道で着実な積み上げの成果です。これを励みとし、さらに充実を図ります。
経済では政府の経済対策効果の発現に時間を要しますが、経済産業振興にさらに力を注ぎます。また多久駅前の中核施設整備で、交流・憩のスペースが整います。山笠祭など新たな賑わいになるはずです。定住促進では団地開発などがあります。懸案のイノシシ対策も県等と広域連携して対応強化します。
新たな未来に向けて、新たな行政創造も重要です。三年後に始まる共通番号制度(マイナンバー)活用への備えと改革です。多久市をはじめ市民生活の利便性向上を基本に迅速・公正・的確な新行政創造を目指し、政府へも提案します。そして、市民が主役の望ましいイノベーション(変革)を追求していきます。
ところで今年の干支は「午」(うま)です。午年には、天空を駆ける天馬(ペガサス)を連想します。天馬の如く駆けつけ寄り添いたいという思いでもあります。自身ですぐに空を飛べる訳はなくとも、破天荒な柔軟さと天衣無縫さを心がけ、物事に臨みたいと思うのです。
「人間の能力には限りがあるが、努力に限りはない」という言葉があります。ひたむきな努力や熱意こそが新たな創造を生み出すものです。未来から見ても「よくぞ頑張った」と評価されうるよう努めて参ります。
本年もよろしくお願いします。
市長 横尾俊彦