パソコンによるオリジナル印刷が広がっている。工夫は巧みで仕上がりもきれいだ。でも便利さ増大の中で、手書きのよさが減っているように感じられる面もある。鍛錬された文字はそれだけでも美しい。ゴツゴツした文字、はみだしそうな筆跡などは筆者の個性や思いを伝える。文字が人の顔とも重なり、なつかしくも、こころたのしくも思えてくる。
ハガキ道という「道」がある。少しの時間を利用してお世話になった人や思いを伝えたい人にハガキを書く。ハガキはどこにでも持ち歩け、簡単に書ける。でも字数は限られるから思いをまとめる工夫が欠かせない。
ハガキには
効用がある。それに言葉を磨くことは自分を磨くことにもなる。感激したハガキは、懐にしまっておけば、いつでも取り出せる勇気の宝物にもなる。書くコツは「すばやく迅速に、心にひびく言葉で、より美しく」だという。
ハガキ道の人は、複写ハガキを使う。薄紙の下にカーボン紙、ハガキを重ねて置いて書く。複写記録が残っていく。1日3人で1年間約1千通。魂を響き合わせることもできるから、多忙の中で雑多な時間を過ごすより心を込めて1枚のハガキを書けと提唱者は励ます。
ハガキが人と人の愛情や絆を生みだし強める。試しに出して見てください。人生に光が差してくるでしょう。たかがハガキ、されどハガキです。