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6月 SARSと危機管理

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2003年6月1日更新 <外部リンク>

 新型肺炎SARSがアジアに脅威をふるっている。特に中国・香港・台湾で感染拡大が止まらない。マスク姿の各国市民がテレビで伝わる。原因究明、治療法模索に世界保健機関(WHO)も懸命の努力を続ける。何よりも治療法の確立がまたれる。
 日本は感染者ゼロで推移していたが、感染した台湾の医師が日本の関西地方を旅行して危機感も強まった。中国旅行の見合わせや、中国で操業中の日本企業の休業決定など経済への影響も本格化してくる兆候も出てきた。
 感染者を出してからの対応では、ベトナムなどの対応が効果を奏した。原因は新型のコロナウイルスらしい。このウイルスは服などに付着しても48時間ほどしか生存できず、太陽光線などで死滅するらしい。だから、手をよく洗い、換気をよくするなど、退治方法は風邪の対策とよく似ている。基本は同じということだろうか。
 昨年は日本と中国の友好30周年だったし、各種の交流が活発化するとも考えられていた。日本企業の中国進出もさらに本格化しつつあった。多久市でも今年は孔子様の生誕地・山東ネ曲阜市との友好交流10周年にあたり、日中友好協会でも市民の翼などの企画が準備されていたが、見直しを余儀なくされる状況である。
 SARSはまた検疫体制、擬似患者通報への対応など危機管理の課題を突きつけている。最悪を想定し、最善を尽くすという、危機管理の基本を念頭において、まさに抜かりのない対策を常時備えることが重要だ。(とし)