「なせばなるなさねばならぬなにごともならぬは人のなさぬなりけり」。
これは私が小学校の頃から、父が口癖のように言っていた言葉です。いつの間にか頭に入り込み、何かあると呪文や念仏のように「なせばなる…」と唱えたものです。
この言葉は上杉鷹山のものです。九州の生まれで、後に若くして米沢藩主となり、困窮にあえぐ藩政を救う改革をする人物です。行政改革にあたる取り組みは、藩士の身の回りや日常のあり方から、組織改革、殖産興業などにもおよびます。ケネディー米国大統領も「尊敬する日本人」に上杉鷹山をあげたと言われます(でも質問をした日本人記者団では誰も鷹山のことを知らず、「鷹山とは誰だ」と話題になったとも伝えられています)。大統領は治世のリーダーシップに感銘していたのです。
市長は地域経営のトップですから、鷹山流の改革に学ぼうと以前から研究をしていました。鷹山が最も力を入れたことは意識改革だと思います。「できない」とあきらめるか、それとも「できるのだ」と自分を信じ努力を続けるか。その違いは実に大きなものです。
いまアテネではパラリンピックが開催中です。ハンデをもった選手たちは、ハンデをものともしない奮闘ぶりを見せ、ひたむきな取り組みに笑顔が光っています。
何事にもベストを尽くす。そうすればいつの日か「なせばなる」の成果が待っているのです。私たちも「なせばなる」の精神で日々チャレンジしましょう。(とし)