幸せになれる魔法の言葉。そんなタイトルの小冊子を紹介された。物語風の内容は、人が幸福になれる言葉を教えるというものだった。その魔法の言葉、それは「ありがとう」だった。
何事も「ありがとう」と言って、受け入れる、受け取る、そんな心構えがとても大切だということなのである。
楽しいことや嬉しいことなら簡単に「ありがとう」と言って受け取れるが、必ずしもそうはいかないこともある。辛いことや苦しいこと、それに悲しいことなどには「ありがとう」と言えるものではない…、と誰しも思う。そうであろうとも、「ありがとう」と言って受け入れなさいと冊子は促す。
文字で書くと「有難う」となる。そう、難が有る。なかなかないから「有難い」かと思っていたが、それを超えて「難が有る」からこそ「ありがとう」と言うべきだと励ます。
先人の教えにも、人間を磨き鍛え、幸福になれるには何事にも「感謝をして受け入れる」というものがあったことを思い出す。まさに同趣旨。困難でも、辛苦でも、「ありがとう」と言って受け入れる力や勇気こそが、人生では貴重で大事なのだ。
天なる存在があるとしたら、今度は私にどんなチャレンジをもたらすつもりだろうか、どんな試しを経験させ、どのような実力を高め、心身を鍛えようとしているのだろうか。そう考えると、困難に遭ってもあわてず、悲観せず、諦めないようになる。一歩離れて自分を見つめ、冷静に考えることもできる。
それを可能にするのが「ありがとう」である。何が起こっても「ありがとう」と言って受け入れる。そして自分自身の花を咲かせよう。今年を結び、よい新年を迎えるためにも。(俊)