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8月 ふるさとの原風景

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2008年8月1日更新 <外部リンク>

 「がばいばあちゃん」ロケが南渓分校で行われそうだ。教室や周囲の野山が昔なつかしく、故郷の原風景に近いからとのことらしい。詳しくはこれからだが多久発信に活かしたい。
 なつかしい風景といえば、7月はじめの「関東多久の会」総会で岡田史一会長がとても印象深い話をしてくださった。
 「自分たちの子どもの頃、生活は豊かではなかった。夕飯時に味噌や醤油が切れたこともあった。そんな時は近所から分けてもらった。困った時はお互い様の心が皆にあった。力を合わせて生きる近所づきあいはまさに故郷の原風景になっている」。
 そこには、ウサギ追いしかの山…と歌うときにまぶたによみがえる思い出がある。そんな助け合いを基に、不満を誰かにぶつけず、自分で黙々努力してきた人々がいる。そのおかげで今日があることを私たちは忘れてはならないと思う。岡田さんは「ふれあいや慈しみが薄くなり、凶悪事件も起きるのではないか。大切な故郷、その未来を私達も応援しよう」と結ばれた。
 不思議に心に沁みた。確かにほんの少し前まで経済的豊かさはまだまだだった。親が自分の食事をがまんして子に食べさせたこともあったろうし、飽食ではなかった。今のように誰もが携帯電話でメールする光景は夢想すらできなかった。むしろひとり静かな時間があった。風や水の音、星の輝き、雲の流れに我を忘れた時もある。読書したり、自分を見つめたり。ぽつりぽつりと語り合ったり。そんな思い出が故郷にはある。
 故郷に生まれ、激動の時代を乗り越えた先人のおかげで今の繁栄があることに感謝し、先祖や先人に思いを馳せる季節がきた。里帰りの出会いにも新たな光を生み出したい。(俊彦)