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10月 孔子の道 そして 創建三百年

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2008年10月1日更新 <外部リンク>

 薪をかつぎ、書物を手に、歩きながら学ぶ子どもの像。よく小学校の玄関や校庭に見られる像です。その人物は二宮金次郎、のちの二宮尊徳翁です。では、その書物はいったい何かと考えたことありませんか。それが『大学』という本です。
 「人には生まれながらに素晴らしい徳がある。それを表へ出して世の中に役立つことに生きる意義がある」、「日に日に新たな思いで努めることで道は開ける」などの教え満載です。
 この書物は私の大好きな古典です。『大学』は最高学府の大学の名称のもとともいわれ、内容は孔子の教えのエキスと言われます。ちなみに『小学』もあります(日々の躾やあるべき姿が記してあり、最初に読んだ時、まるで祖父母や両親の教えにそっくりと感銘しました)。『論語』が親しみやすく書かれた孔子の言行録とすれば、『大学』はより高い視点から教えの中心部分を一気に記述したような本といえます(これほど大事なのに今は学校でも教えないのは何とももったいないことか…)。
 古典に学ぶことは、歴史上の人物に出逢い、語り合うことです。人生は出逢い。だから、誰に、いつ、出会うかはとても大切。生きている人物にはいつか会えますが、過去の人物にも古典や書物に描かれた魂の響きに触れて、出会えるのです。
 想像してみてください。今から1カ月の余命と宣告されたら、あなたは何をしますか。妻や子に、恩師や友人に遺したい言葉があるはずです。そんな思いになってみて、『論語』や『大学』を紐解くことが大事ではないでしょうか。渾身のメッセージです。その教えや学問に感銘した茂文公が志を立て、建立した多久聖廟の創建300年祭はいよいよ今月です。(俊彦)