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12月 新な期待と懸念の波

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2008年12月1日更新 <外部リンク>

 この秋、アメリカから吉凶の波が世界へ広がっている。
 ひとつはリーマンブラザース社倒産に始まった金融不安だ。他の証券会社も赤字化し、自動車産業等の業績も急激に悪化した。自己資産の数倍の資金を調達して金融市場で巨大利益を狙うやり方が、破綻の元凶との分析がある。どこまで公金で救済すべきかが連邦議会でも論争されている。GMの経営悪化は予想を越える。「また世界恐慌か」という不安も絶えない。
 日本への影響も侮れない。株安と同時に生じた円高は石油価格を下落させたものの、輸出産業を襲う。主要企業業績の下方修正が報じられ、来春採用者の削減も発生している。この難局克服は日本と世界の最重要課題である。その対策も含め麻生総理大臣は経済対策を打ち出した。定額給付金構想もあるが、県内市町で連携し、適切で迅速な対応を目指す協議をした。
 もうひとつはオバマ大統領候補の勝利だ。来年1月に就任して初の黒人系大統領となる。リンカーンから百年余を経過し、キング牧師らの犠牲や献身の上の勝利となった。人々は変革を選んだ。「我々は白人でも黒人でもなく、合衆国国民だ」。「夢を叶えることのできる国、それがこの国の素晴らしさ」というわかりやすいメッセージは、真摯な語り口調に乗り、予想以上の支持を広げた。オバマ演説の聴衆は時々「YES WE CAN」と声をあげる。同氏のキャッチフレーズである。まさに「我々は」と同朋意識を確認し、「やればできる」と変革を肯定する。
 このうねりに負けない気力や向上心を発揮したいものだ。
 そして師走。厳しさの増す中、市内での買い物をお願いします。地域経済への応援を皆さんにも期待します。(俊彦)