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4月 感動のピアニスト

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2010年4月1日更新 <外部リンク>

 若人が巣立つ3月、桜花爛漫の4月。春光天地に満ち、新たな生命の息吹をそこかしこに感じる春です。卒業式祝辞や3月市議会の施政方針演説でも紹介した若者がいます。
 感動のピアニスト、辻井伸行さんです。彼は世界的に超難関で有名なヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで、昨年、二十歳で、日本人として初めて優勝しました。
 辻井さんは全盲です。生まれた時から目が見えません。それを知った母親は毎日涙が絶えなかったそうです。息子の今と将来を思うと、心配で心配で…ならなかったのです。
 でも二歳のある日、母親がいつも口ずさむ歌を、彼はおもちゃのピアノで正確に弾きました。その才能に気付いた両親の支えとピアノの先生の導きで、長い年月の努力を経て、才能を花開かせていきます。普通は楽譜を見て練習しますが彼にはできません。でも「弾きたい」。「音楽の感動を伝えたい」。そこで彼は音楽CDで演奏を聴き、全て記憶するよう努力します。音楽を聴き、ピアノの右手と左手の演奏を聴き分け、一瞬で正確に演奏できるようになっていきます。誰もやったことのないことです。有能なピアニストでも難しいベートーベンやショパン等の作品を演奏できるようになっていきます。そして世界的コンクールで優勝したのです。そのひたむきな歩みや、懸命な演奏には感動させられます。
 辻井さんには「できないことを嘆くより、できることでベスト以上の努力をしよう」という心で、両親とともに重ねた日々があります。私達も、自分にできること、自分の才能を見つめ、希望の未来を信じ、努めたいものです。(俊彦)