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6月 「見えない敵」への危機管理

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2010年6月1日更新 <外部リンク>

 宮崎県で発生した口蹄疫の感染拡大がとまらない。5月22日朝の時点で確認された感染疑い・確定例は171例となり、殺処分すべき数は実に13万3千頭を超えた。数日で数値は急増した。
 5月13日に嬉野で開かれた九州市長会では、政府に緊急対策を要請する決議を議決した。私も「一刻を争う事態だけに早急に政府へ要望を」と発言し、翌週17日には農水省・総務省を訪れた。18日には東国原宮崎県知事が伝染病による非常事態を宣言。畜産王国宮崎への壊滅的打撃と全国的な感染拡大の危惧を表明した。国も動き出し、17日午後からは山田正彦農林水産副大臣が宮崎に張り付き、政府の現地対策本部の指揮をとることになった。
 その後、種牛の感染も確認され、佐賀牛ブランドへの影響も懸念される。県内肉用牛の約15%が宮崎県からともいわれており、市内県内の畜産関係者にとっても心配は募る。消毒・防疫体制強化等で家畜と農家を守らねばならない。
 この問題、3月末に感染を疑われた水牛の症例、4月20日ごろにも症例があったとのこと。そのころ厳密検査されていれば対処は早かったはず。感染拡大中の5月連休に赤松農林水産大臣は外遊したことに危機意識欠如と初動の遅れを指摘する声もあがっている。感染拡大防止のため、現地畜産農家ほかの移動制限、往来車両の消毒等が行われている。
 10年前も発生したが、迅速対応で早期に沈静化した。しかし今回はそうはいかぬ状況だ。見えない敵への危機対策が問われる。国・県・市町村ほかが協力し、封じ込め等の対策強化が最優先だ。(俊彦)