多久市文化連盟の三十周年記念行事が開催された。式典、祝賀会、そして恒例の舞台での披露や展示。それぞれの個性も光り、おおらかさや、ユニークさも輝き、感慨深く拝見した。
文化連盟は中央公民館新設とともに設立され、まさに機運醸成してのスタートだったとのこと。そこに活躍尽力された方々に敬意を表したい。
たとえばホール入り口に活けこまれた生花の大物の作品を拝見した。題は「祝三十周年」。鳥が飛翔するような姿をイメージさせる見事な作品だ。お話を伺うと、なんと一年前から皆で相談し、企画して準備を始めたとのこと。花材選びにも丹精な努力があった。ソテツひとつも、どのような環境でなら見事な色合いか、その色の変化はどのようになるかも実際に実験して確かめたとのこと。
いやはや大したものだと感じ入るとともに、それほどの仕込み、準備、協力が連綿と続いていることを改めて教えられる思いがした。込めた思いと流した汗と涙が、成果に輝きの結晶をつくる。
連盟構成の十四団体の皆さんはそれに優る稽古、切磋琢磨を続け、今日の活躍を築かれてきた。
「龍馬伝」や「坂の上の雲」に登場する群像も、若くして学び、それぞれ文化のたしなみを修得し時代を生き抜いている。強いとか優れたとかいうだけでなく、その個性を光らせるものがあった。そんな風格や気風を我々も学びたいものだ。
さて、いつもながらの師走だ。でも二度とない師走だ。思いを込め、新たな自分をつくる深慮と努力を重ねたい。そしてすばらしき新年を迎えられるよう努めていきたいものだ。(俊彦)