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12月 身も心も引き締めて

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2011年12月1日更新 <外部リンク>

 多久市文化祭りの歴史劇に参画した。そもそもは稽古激励がきっかけだった。熱心な台本読み合わせを拝見し、「素晴らしい舞台に向け頑張って」と励ました。すると「市長さんもやりましょうかね」の言葉。市民劇場の経験もあったので「お任せします」とやりとりした。数日後に台本が秘書係に届いた。配役は多久宗利。一一九一年にこの地に下向した多久太郎宗直から始まる前多久家の最後の武将。大友勢に追われた少弐政資が奔走する一四九七年頃が舞台で、龍造寺隆信も登場する。
 とはいえ庁内用務、予算要望、各種期成会大会など公務も多く、なかなか稽古に参加できない。本番前日18時に稽古との予定をもらい駆けつけたら「今終わって、次はミュージカル練習」とのこと。これは困ったと思うまもなく舞台裏の控え室で稽古となった。到着したばかりの甲冑衣装合わせもやることになり初めて鎧兜を身に着けた。袴、脚絆などから始まり、一人では結構時間もかかる。しかし、きっと帯を締め、甲冑姿が仕上がっていくと不思議に心地よくなっていく。まさに心身ともに引き締まるのだ。凛として事に臨む気合いそのものが高まっていくのを感じた。
 そうか先人達はこうして気を引き締め、大事に立ち向かったのだと教えられる思いがした。
 思えば今年は聖廟を創建した多久茂文公の没後三百年にあたり、記念事業も行った。歴史を駆け抜けた人物たちの真摯さに負けぬ気合いで、師走の峠とあらゆる難局を越えたい。よい新年を。

市長 横尾俊彦