東日本大震災の被災地復興には人的支援が欠かせません。そこで多久市も10月から宮城県南三陸町への人的支援を始めました。
被災地は苦難の中にあることを8月末の現地訪問で痛感しました。夏草で緑の集落や住宅地をよく見みると、住宅基礎だけ。津波がまるごと建物を持ち去った跡です。道路は通れますが、橋は仮設。河口堰も全壊。堰の管理棟は大破して転がっています。広い空間となった市街地にわずかに残された建物には破壊の爪跡が刻まれています。防災庁舎は津波の衝撃を物語っています。そこかしこにわずかに残った道具類が、そこに人々の日々のドラマがあったと物語ってくるようでした。
土地は6m程沈下し、住宅地にはできません。全世帯高台移転です。それには山を削り土地確保が不可欠。突貫工事の前には土地所有の移転手続き。相続書類が揃わないと円滑には進みません。
主産業は水産業で、港湾復旧も要です。できなければ生業もままならず、生活と希望をつなげなくなります。コンビニも商店もプレハブ仕立て。
技術的にも事務的にも仕事山積なのです。
復興はまだ緒についたばかりの感です。「人材なくして復興進まず」という切実な実情を鑑みて、10月から南三陸町へ人的支援を始めました。
「被災地を忘れないで」。そんな現地の願いに応えるためにも、被災地の人々のことを心にとめ、引続きの支援へ、理解と応援をお願いします。
市長 横尾俊彦