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5月 「宥坐之器」の教え

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2013年5月1日更新 <外部リンク>

 小中一貫校の開校式、スクールバス出発式で新年度が始まりました。子どもたちの未来のため、文教都市・多久を向上せねばと決意を強くしました。児童・生徒代表の「歴史的瞬間に立ち会える誇りを持ち、良く学び、立派な人になるよう努めます」の決意表明は心への実に大きな響きでした。
 春といえば、多久聖廟の春季釈菜も無事に挙行できました。特に今回は「宥坐之器(ゆうざのき)」の贈呈を受け、参詣の皆さんにご披露できました。
 宥座之器は、孔子の教訓にある「中庸」の教えを誰にもわかるようにつくられた器です。皇帝も座右において自戒としたそうです。内側に水を貯める訳ですが、不足していると傾き、丁度良ければ見事に立ち、多過ぎれば覆るという器です。
 製造して寄贈いただいたのは群馬県館林市在住の銅司(あかがねし)針生清司(はりうきよし)先生です。
 先生によれば、古来より伝わる文献に記録はあるものの、実物は現存しないと知り、「ならば自分がつくろう」と一念発起され、13年の歳月を経て完成されたそうです。銅の厚み、形状、容量、バランスなど、その時々にドラマチックな発見や気づきがあり、それを喜々として語られました。
 孔子生誕地・曲阜の孔子研究院に奉納した際に「多久には納められましたか」と孔副委員長に尋ねられ、その日以来、多久聖廟へ奉納を念願されたのでした。「悲願叶い嬉しい」と針生先生。
 真に有難いご厚情とご貢献です。その思いと中庸の教えを心に刻み、教育を高めていきます。

市長 横尾俊彦