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離婚後の子の養育に関する民法等の改正について

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2026年3月23日更新
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父母が離婚した後も、こどもの利益を確保することを目的として、令和6年5月17日に「民法等の一部を改正する法律」が成立しました。

この法改正は、こどもを養育する親の責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールが見直され、令和8年4月1日に施行されます。

主な改正内容

1.親の責務に関するルールの明確化

親がこどもに対して負う基本的な責任と、親同士の協力義務を定めています。
 
【こどもの人格の尊重】
・親は、こどもの心身の健全な発達を図るため、こどもを養育する責務を負います。
・こどもの意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。
【こどもの扶養】
・親は、こどもを扶養する責務を負います。
・こどもが親と同程度の生活水準を維持できるように、生活費(扶養)を負担しなければなりません。
【親同士の人格尊重・協議義務】
・親は、こどもの利益のため、お互いに人格を尊重し協力しなければなりません。

※次のような行為は、この義務に違反する場合があります。この場合には、親権者の指定または変更の審判、親権喪失または親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性があります。
ただし、身体的・精神的DVや虐待等から逃げるなど、正当な理由がある場合は、このルールに違反しません。
【ルールに違反する行為の例】
・親の一方から他方への暴行、暴言、脅迫など心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷
・別居している親が、同居してこどもの世話をしている親の日常的な養育に不当に干渉すること
・特段の理由がないのに、一方の親がもう一方の親に無断でこどもを遠くに引っ越しさせること
・家庭裁判所などで決まったこどもと別居親との交流(親子交流)を、特別な理由もなく拒否すること

2.親権に関するルールの見直し

◎親の離婚後の親権者の定めの選択肢が広がり、離婚後の親双方を親権者として定めることができるようになります。
【親権者の定め方】
・協議離婚の場合、協議により共同親権にするか、単独親権にするか決めます。
・協議が調わない場合や裁判離婚の場合、親とこどもの関係や、親の関係など様々な事情を考慮した上で、こどもの利益の観点から、家庭裁判所がどちらにするかを決めます。
【親権者の変更】
・離婚後の親権者について、こどもの利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所がこども自身やその親族の請求により、親権者を変更することができます。

◎親双方が親権者である場合の親権の行使方法のルールが明確化されています。
・親権は、親が共同して行います。ただし、親の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。
・監護教育に関する日常の行為をするとき、こどもの利益のため緊迫の事情があるときは、親権の単独行使ができます。

 

法務省は、単独で行使できる行為や事項として次のように示しています。

日常の行為(単独でできる)

監護(こどもの世話)や教育に関する日常的なこと(

例:今日の夕食、遊びに行く場所、日々の勉強)は、共同親権でも一人で決めることができます。

特定の重要な事項

(共同で決定する)

こどもの進学、大きな手術など、こどもの将来に大きく関わることは、二人で話し合って決めることが原則です。
急迫の事情(単独でできる) 身体的・精神的DVや虐待からの緊急避難や、急病で緊急の手術が必要な場合など、急いで対応しなければこどもの利益に悪影響がある場合は、一人で判断して行動することができます。

 

◎親の離婚後のこどもの監護に関するルールが明確化されています。
【監護の分担】
・親が離婚するときは、こどもの監護の分担についての定めをすることができます。こどもの利益を最も優先して考慮しなければなりません。
【監護者の権限】
・離婚後の親権者を親双方と定めた場合であっても、その一方を「監護者」と定めることで、こどもの監護をその一方に委ねることができます。

3.養育費の支払確保に向けた見直し

養育費とは、離婚などで親が別々に暮らすことになっても、こどもが生活したり勉強したりするために必要な費用です。養育費を払わない人から、もっと確実にお金を取れるようにするために仕組みが強化されています。

【法定養育費制度の導入(金額を決める前の緊急対策)】
離婚のときに養育費の取り決めがなかった場合でも、こどもを主に育てている親は、相手に対し、離婚の日から一定期間、すぐに養育費を請求できます。この請求できる金額は、こどもが最低限の生活を送るために必要な標準的な費用を考慮して法務省令で定められます。

【相手のお金に関する情報を集めやすくなる(情報開示命令)】
養育費や婚姻費用の分担、財産分与の話し合いや裁判の際に、家庭裁判所は親に対して収入や財産の状況に関する情報を開示するよう命令ができるようになりました。

【差し押さえの手続きがスムーズに(ワンストップ化)】
養育費などに関する債権について、債務者が財産を開示しない場合に、家庭裁判所が市区町村などに対し、債務者の給与などの情報提供を命じる特例が設けられます。これにより、情報開示手続きと差し押さえ手続きがより連携して進められ、養育費に関する裁判手続きの利便性が向上します。

4.安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うこと(試行的実施)に関する制度が設けれれています。
【親子交流の試行的実施】
・家庭裁判所は、こどもの利益を最優先に考え、親子交流を定めるため、手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。

離婚中の親が別居している場面の親子交流のルールが明確化されています。
【婚姻中別居の場合の親子交流】
・親が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどもの利益を最優先に考えることを前提に、親の協議により定めます。協議が成立しない場合は家庭裁判所の審判などで決めることになります。

親以外の親族(祖父母等)とこどもとの交流に関するルールが設けられています。
【親以外の親族とこどもの交流】
・祖父母など、親以外の親族とこどもとの間に親子関係のような親しい関係があり、離婚後も交流を継続することがこどもにとって望ましい場合、家庭裁判所は、こどもが親以外の親族との交流を実施できるよう定めることができます。

詳細については、法務省ホームページをご確認ください

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