人権だより(令和4年10月)
障がいのある人の人権を考えよう
日本には、16人に1人、からだやこころに機能の障がいのある人がいると言われています。その障がいはさまざまです。果たして「障がい」というのは、自分だけで乗り越えていかなければならないものなのでしょうか?
障害者権利条約(2006年)は、世界のルールです
障がいがあったり、肌の色が違ったり、女性だから、子どもだからと、さまざまな「ちがい」を理由に偏見をもったり、差別したりしない。もともと持つ自分らしさを大事にしようということ、人権を大事にすることが世界のルールです。条約の中に、「障がいの社会モデル」の考え方が示されています。日本でも、この条約を2014年にルールとして取り入れ、法律ができたり、改正されたりしました。特に、2016年4月につくられた「障害者差別禁止法」では、国、地方公共団体、事業者に対して、不当な差別的扱いの禁止や合理的配慮(可能な範囲で障がいのある人に配慮すること)をしていくことを求めています。
「障がい」の考え方の変化
個人モデルから社会モデルへ
これまで、障がいのある人が日常生活において制限を受けるのは、その人に障がいがあるからであり、訓練やリハビリによって乗り越えるべきであると考えられてきました。これを「個人モデル」といいます。
今では、社会が「障がい」を作り出しているのだから、社会がそれを取り除いていかなければならないとする考え方が浸透しています。これを「社会モデル」といいます。
例えば、車椅子の人が「上の階にある店に行きたい」と思ったとします。階段しかなければ、自力で上の階に行くことができませんが、車椅子で乗ることができるエレベーターがあれば、問題を解決することができます。
「障がい=バリア」は、社会(ものや環境や人)と、からだやこころの機能の障がいとの両方でつくりだされています。この「障がい」を取り除き、また、取り除くための手助けをして、差別を行わず、さまざまな人々と話をする力をみがき、バリアを取り除く行動をする「心のバリアフリー」が求められています。
これまで、障がいのある人が日常生活において制限を受けるのは、その人に障がいがあるからであり、訓練やリハビリによって乗り越えるべきであると考えられてきました。これを「個人モデル」といいます。
今では、社会が「障がい」を作り出しているのだから、社会がそれを取り除いていかなければならないとする考え方が浸透しています。これを「社会モデル」といいます。
例えば、車椅子の人が「上の階にある店に行きたい」と思ったとします。階段しかなければ、自力で上の階に行くことができませんが、車椅子で乗ることができるエレベーターがあれば、問題を解決することができます。
「障がい=バリア」は、社会(ものや環境や人)と、からだやこころの機能の障がいとの両方でつくりだされています。この「障がい」を取り除き、また、取り除くための手助けをして、差別を行わず、さまざまな人々と話をする力をみがき、バリアを取り除く行動をする「心のバリアフリー」が求められています。
誰もが暮らしやすい社会の実現のために
私たちが暮らしている地域社会では、さまざまな心身の特性や考え方を持つ「多様な人」で構成されています。しかし、これまで、障がいのある人に対する差別や、障がいのある人はかわいそうで一方的に助けられるべき存在といった誤った考え方もありました。
目指すべき社会は、『障がいの有無にかかわらず、女性も男性も、高齢者も若者も、すべての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を送ることのできる共生社会』であることが、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」に位置づけられています。
この共生社会をつくるためには、ひとりひとりが相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合う「心のバリアフリー」を体現していくことが必要です。
目指すべき社会は、『障がいの有無にかかわらず、女性も男性も、高齢者も若者も、すべての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を送ることのできる共生社会』であることが、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」に位置づけられています。
この共生社会をつくるためには、ひとりひとりが相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合う「心のバリアフリー」を体現していくことが必要です。
心のバリアフリーを体現するための3つのポイント
- 障がいのある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障がいの社会モデル」を理解すること
- 障がいのある人(及びその家族)への差別(不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供)を行わないよう徹底すること
- 自分とは異なる条件を持つ多様な他者とコミュニケーションを取る力を養い、すべての人が抱える困難や痛みを想像し共感する力を培うこと