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人権だより(2月号)

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2022年2月1日更新
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見えぬけれどもあるんだよ  見えぬものでもあるんだよ

皆さんは、童謡詩人の金子みすゞさんをご存じですか。

 今月は、金子みすゞさんの詩を通して、人権について考えてみたいと思います。

 有名な詩に「星とたんぽぽ」があります。

星とたんぽぽ

青いお空の底ふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまで沈んでる、
昼のお星は眼にみえぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ。

散ってすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根は眼に見えぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ

〔金子みすゞ いのちのうた・1 (JULA出版局)より〕

星は昼には見えないけれど、夜になると見えるように空には星があるんだよと教えています。

 彼女の作品は、自然とともに生き、小さな命を慈しむ思い、命なきものへの優しいまなざしが、彼女の詩集の原点とも言われ、「お魚」「大漁」などの有名な詩があります。

 そして「みんなちがって、みんないい」と、今の時代を先取りしたかのような多様性の考え方を「私と小鳥と鈴と」の詩に表現しています。

「私と小鳥と鈴と」

私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。

〔金子みすゞ いのちのうた・1 (JULA出版局)より〕

一人ひとりが違って当たり前、それぞれにみんながすばらしいと言っていることに、共感される人は多いと思います。

見えないことにも思いを!

 節分の豆まきが終わると立春。暦の上では春を迎える季節となります。これまでの寒さに耐えてきた木々も少しずつ芽吹きはじめます。
 樹木の根は、地中に深く広げます。それは、地上に伸ばしている枝葉の大きさと同じくらいといわれます。地上の大きな木を見れば見るほど、目に見えない地中にも同じ大きさの根が張っていると考えたら、驚きと自然の力の偉大さを感じることもあります。樹木の根は見えませんが、確かにその下には「在る」のです。目に見えないから「無い」と考える人はいません。

「現在もなお部落差別が存在する。」

 ところで、同和問題が見えないという人がいますが、目に見えないから「無い」のではなく、「在る」のに気づかないのです。
同和問題を知らない人たちは、「もうそんな差別などない」「あってもたいしたことはない」と差別の現実を知ろうとしないばかりか、「そんなに熱心に取り組まなくていい」「そこそこにやっておけばいい」などと取り組みを軽視したり否定したりする考えが生まれてきます。部落差別解消推進法で「現在もなお部落差別が存在する」と初めて法律で認めましたが、どれだけの人が実感しているでしょうか。

 同和教育の不足から、人権侵害をしている意識のない人も増えています。最近ではインターネットを悪用した誹謗中傷や差別事象も数多く報告されています。同和地区に生まれたから、またはそこに住んでいるからという事で差別しているのは、周りにいる私たち一人ひとりの問題です。

 同和問題は、社会が作り出した差別です。社会が作ったものであれば、必ずなくすこともできるはずです。社会を構成する私たち一人ひとりが、差別問題を解決する当事者となり、取り組みを進めていくことが大切になります。