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高齢者の人権を考えよう

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2021年2月1日更新
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人はだれでも、人として尊重され、それぞれの生活の中で人間らしく生きる権利を持っています。これは子どもから、高齢者まで、すべての人に与えられた権利です。しかし、介護の際に虐待を受けた、無断で財産を処分されたなどの事案が発生しています。これから長寿社会の日本は、ますます高齢者の人権問題が大きな社会問題となっています。

高齢者の現状

総人口に占める65歳以上の人口割合が7%以上を「高齢化社会」といいます。14%以上を「高齢社会」といいます。21%以上になると「超高齢社会」といいます。日本は平成27(2015)年、現在の人口割合は約28%で超高齢社会になっています。今や4人に1人は65歳以上の高齢者といえる時代になっています。

高齢者の尊厳と擁護

高齢者が果たしてきた社会的役割や加齢に伴う、肉体的、精神的衰え、不安などを正しく理解していくことが求められます。高齢者の尊厳を守るために、「高齢者虐待防止法」(2006年)が制定され、高齢者虐待の防止や虐待の早期発見、早期対応の努力が義務付けられています。

高齢者虐待の類型

1 身体的虐待

 殴る、ける、つねる、などの暴行を加えて、身体に痛みを与えたり、傷やあざを負わせたりします。部屋に閉じ込めたり、ベッドに縛り付けたりして、身体を拘束する行為もこれに該当します。

2 心理的虐待

脅したり、侮辱したり、時には無視したりして心理的外傷を与える行為です。

3 性的虐待

本人の気持ちを無視して、キスをしたり、性器を触るなどのわいせつな行為をしたり、させたりすること。また、下半身を裸にして放置したり、性的な恥辱を与えたりする行為も性的虐待になります。

4 経済的虐待

高齢者の金銭を勝手に使ったり、無断で財産を処分したりすることや日常生活に必要な生活費を渡さないなど、金銭の使用を制限することも虐待になります。

5 介護の放棄・放任(ネグレクト)

高齢者が受けるべき介護や医療サービスの利用を妨げたり、制限したりすることや世話をしないなど放棄、放任することも虐待になります。

セルフネグレクトをご存じですか

高齢者は、自分の身の回りのことをしなくなることがあります。自分自身の食事や薬の服用を怠ったり、そのほかの必要な活動を行わなくなったり、身の回りを清潔にすることに無頓着になることがあります。この問題をセルフネグレクトといいます。セルフネグレクトは、独り暮らしで孤立していたり、記憶力や判断力が損なわれる病気(アルツハイマー病など)になると起こりやすいともいわれています。ほかにも、複数の慢性疾患や重いうつ病なども原因と考えられていますが、医学的な問題がない人の中にもセルフネグレクトになる人がいます。これらの人がセルフネグレクトの状態になる理由はわかっていません。このことは、テレビでも特集があり、深刻な状況であることが報道されていました。これから深刻な問題になると考えられます。

高齢者虐待と認知症

虐待を受けた高齢者の約7割が要介護認定を受け、そのうちの約半数が認知症と言われます。自立生活が困難である高齢者ほど、虐待を受けやすく、認知症は虐待と深い関係があるといわれます。認知症は、高齢になると誰にでも起こる可能性があり、記憶力や判断力が低下し、日常生活が困難になります。家事や仕事がうまくできなくなるなど、本人の悩みや不安は非常に深いものです。もしや虐待ではと思ったら、早期に市町の相談窓口に相談をしましょう。

高齢者の人権を守るためには

高齢者に対する権利が不当に侵害されることがないようにすることが大切です。それまでに果たしてきた家庭や社会への務めや貢献を正当に評価して、敬意を払うこと、個人の尊厳と生きがいを持って、社会の一員として、その人らしい自立した安らぎのある充実した生涯を送れるようにすることが大切です。